第21話 誰かの神様
「私はその子を神さまだと思ってるんです」
テディちゃんは変わった子だ。
生粋のロリ、ショタコンだし、定期テストの点数は数学以外9割で、数学1割だし、可愛いものが大好きで、私が一ヶ月ほど前に何気なくあげたクマのシールを今でもスマホケースに貼っている。
また変なことを言い始めたと思った。
「中学の時同じクラスで、高校は離れちゃいましたけど、今でも朝晩その子にお祈りしてるんです」
「すごいなその子」
「カリスマ性やば」
「イスラムに近い…」
テディちゃんの書いている小説は、ファッションと真逆の、難解で、暗い、淀んだものだった。
「その子のおかげで自殺もやめたし、今ここにいるんです」
あの小説を私は読めなかったかもしれないのか。
「ガチの神さまじゃん」
「その子がいてよかった」
「俺もなりてーなー神さま」
ブロッコリー先輩が呟いた。
「人間誰でも誰かの神さまになれるんですよ」
テディちゃんのその何気ない一言は、夕日に照らされていた。私は、何か、神聖な瞬間に立ち会ってしまったような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます