第10話 運命の出会い 後編
『あの、そのアイコンはもしかして…。サイトの優秀作品に選ばれてませんか?』
グループLINEの最初の発言はこれ。好奇心にステータス全振りしちゃったのね。
『たぶんそれ僕です…』
大興奮。もう止まらないですね。
『ファンです(お気に入りのインポート欄にいますの写真)』
普通にキモいですよね。
『(「何コイツキモ」スタンプ)あ、良い意味で』
ここで私はさらに興奮するわけなんですけれど、それは「何コイツキモ」と言われて興奮する変態ということではなくてですね。
このスタンプ、私持ってるんですよ。ていうかこれ私が好きで好きでたまらない、「ゆる言語学ラジオ」のグッズなんですよ。
これがクイズノックとかだったらプチ興奮ぐらいなんですけど、ゆる言語学ラジオですよ?(もしかしてこれ失礼?)
LINEのステメにもインスタのプロフィールにも書いて、口頭でも言いまくって、それでもリアルでは誰とも語れなかった、ターゲット層において中高生はレッドリストみたいなチャンネルなんですよ?(もしかしなくても失礼)
ちゃんとネケスタンプで返しておきました。
この先輩が何度か登場済みのヘッドホン先輩です。ちなみに部長はブロッコリー先輩です。そして違和感の正体、先輩四人登場してるのに、二人しかいないってどゆこと問題ですが、正解はこの二人以外は部員ではないのです。はい。居候先輩はその名の通り居候で、熱い男だけど体調崩しがちな部長、ブロッコリー先輩より部室にいます。ピンク先輩は部室にあるわけわからん骨董品を漁って去っていきます。雀魂でフレンドになりました。
「こいつグループワークで自分以外全員女子で全く喋れないらしい」
「いや男子三人、女子二人だけど」
「全然違うじゃないですか」
「あれ~?あ、仮グループの時の話か」
「混ざってるよ」
「そうじゃないと説明がつかないぐらい喋ってないってことですか?」
「…」
居候先輩大爆笑。
「ごめんなさ~い」
「ノーコメントで」
現国学年一位、だけど理系選択、高校生とか先輩とかそういうの全部抜きにしてもめちゃくちゃ面白いミステリー作品を普通に部誌に出す。
帰る方向が途中まで同じなので、道すがらお喋りするわけなんですけども、これがすっごく楽しい。
まず類友しすぎなため、興味関心ポイントが近しいんですね。さらに先輩の方が圧倒的に知識が豊富なのに、この雑魚が理解できるところまでレベルを合わせてくれるんです。
ああ、この先輩に少しでも近づきたい。
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