第37話

僕はこれから、先輩に幾つもの嘘をつかなければいけない。

まぁ、今までついた嘘も数えきれないほどのものなのだけれど。

僕の目線の先には先輩の背後がある。

あのクソ店長の言う通りにするのは癪だ。

でも、


「先輩だ〜。おはようございます〜!」


いつも通りのハズの僕の明るい声が響き渡る。


「あぁ。おはよう、」


先輩の少し元気ななさそうな声。

先輩.....。


「先輩の担当の子は後1週間、でしたっけ?」


......。僕は何とか喉の奥から声を振り絞る。

.....苦しいなぁ、。


「先輩、よくないこと企んでません?」


できる限り、僕の心情が奥深くまで悟られないように。

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