第36話
「きっと咲花君はあの人魚を逃がしたら死ぬとでも思っていそうじゃない?だから、それを使ってとことんからかってあげましょうよ、」
....そういえば前先輩とあの人魚には価値があるみたいな話をした気がするようななんとか。
「それで、何ですか?あの人魚と先輩を離れ離れにさせるんですか?それならまだ賛成しますよ。」
その場合僕にはメリットしかないのだから。あの邪魔な人魚がいなくなれば先輩は僕のもので確定なのだ。
「ふふっ。咲花君の担当はたーいぶ聡明だからねぇ、それはもう当時のアオバくらいには。んも~嫌そうな顔しないの!」
嫌そうな顔もなにも当時だなんてもう思い出すつもりもないのに。
「あの人魚をあえて咲花君に逃げさせるの。それでアオバは咲花君があえてアタシのもとへ来るように仕向けてさ、別にそのあとその人魚にしたりしてもいいのよ?“前のアオバ”みたいに。」
クソ店長は楽しそうにクスクスと笑う。
「何をしたいのかまったくもってわからないんですけど。」
クソ店長は本当に心から楽しそうだ。
......。でも、あの人魚と先輩を別々にできるのなら.....。僕はこの話に乗るしかないと思った。
「わかりましたよ。クソ店長。」
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