第35話
「それにしても、アオバ~?あなたそんなぼーっとしてていいのぉ?」
クソ店長は気味の悪い言い方をする。
「何ですか。クソ店長?」
「ははっ!心の声を隠せないのねぇ。...なにがってあなたがだぁぁい好きな咲花君のことよ。」
クソ店長はそっと僕の髪の毛に触れながら語る。
「アオバも咲花君に担当させた子がどれ程までに価値のある人魚なのかわかるでしょう?」
そもそも刺身で稼いでる訳ではないのだから価値があったってどうかと思うけど。
「はぁ、」
店長は僕の先輩とお揃いだった髪型を崩す。
........ほんっとうにこのクソ店長は....。
「咲花君、このままじゃあの人魚と逃げるわよ。」
ぶわぁぁぁぁっと鳥肌が広がるのがわかった。
嫌だ。先輩と離れたくない。やっと見つけた、僕の真実を知らずに、優しく接してくれる人。
それに、きっと先輩なら知っても優しく接してくれるだろう。
先輩はこのクソ店長とも違って優しいし。
僕の瞳が自分の涙で満たされていく感覚に溺れる。
わかってたはずだ。先輩が離れていってしまう可能性があることも。
「何が言いたいんですか、」
このクソ店長もそこそこに先輩のことを気に入ってたはずだ。
僕に引き留めろとでも言うのだろうか?
「アタシはあの人魚なんかに興味はないわ。でも咲花君には十分興味があるの。も~そんな起こらないでちょうだい、?アオバ。私はあの子はアオバと同様からかいがいがあると思うのよ。ねぇ、アオバ?」
このクソ店長は僕が察してくれたとでも思っているのだろうか。
....まったくいってることの意味がわからない。
「そんなこと知りませんけど。」
きっとこのクソ店長はまた僕をからかっているのだろうか。
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