青葉君の章

第20話

ぐしゃりと刃物ごしに手に届く、気味の悪い感覚。人魚達の悲痛な叫び声。僕は、本当にこの空間が嫌いだった。自分の行っていることが本当に汚らわしく思えたし、だんだんとこの空間に慣れていく自分でさえも嫌いだった。今日も、刃物を持っ手が震える。


「いやだ.....いやっ.....。」


人魚の口からこぼれ落ちる”音”。  


「本っ当に、気持ち悪い.....。」


吐き気がする。

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