第4話

長い、長い、廊下の手前にある部屋で僕は今日も仕事をこなしていく。


「サンゴちゃん。入ってもいいかな?」


「宝石さん?どうぞ〜!」


ゆっくりと重たいドアを開けると、まるで天使のような彼女が、笑顔で僕を迎え入れてくれた。


「今日のご飯だよ、」 


彼女の目の前にドーナツが盛られた皿を差し出す。


「ふふっ。宝石さん、ありがとう。」


彼女は大人びた笑みをまた僕に見せた。


人魚とは、本当に聡明な生き物だ。まるで心の中を見透かされているんじゃないかな。と思うことも少なくなくはない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る