第3話
「あら、ごめんなさい。貴方は自分のお仕事だけを全うすればいいのよね?」
最初の挨拶よりも少し低く、それでも優しさの残る声色で彼女は語りかけてきた。
僕の仕事は、彼女を幼体から成体へと育つのを見届ける。ただ、それだけの仕事だ。
それだけの事に会話なんて必要がないし、実際今までも会話なんて必要なかった。
「貴方ってまるで宝石みたいな瞳をしているのね。」
彼女の緋色の瞳に見つめられて、思わず心臓が揺れ動いた。
「....。ねぇ、宝石さん?」
彼女は僕を揶揄おうとしているのか、いたずらっ子のような笑みを浮かべた。
「....?サンゴちゃん...?」
僕の仕事は彼女の成長を見届けるだけ。情けなんてかけてしまえば、後に残るのは後悔のみ。
の、はずだったのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます