第10話

_____翌朝。




「あー、腹減った…」




起きてすぐに「おはよう」と挨拶する相手もいない人間の目覚めの一言なんて、こんなもん。


空腹で目覚める辺り、やっぱり昨日の夕食がカップ麺一つというのは少なかったらしい。


枕元のスマホで時間を確認してみると、まだ午前6時過ぎ。これじゃあ出勤の日と起きる時間がそう変わらなくて損したような気分だ。


休日はいつも二度寝、三度寝を繰り返すのが醍醐味なのに、腹がグーグー騒いでいるこの状態で二度寝は無理だと肩を落とす。


諦めるように一つ息を吐くと、気を取り直してベッドからむくりと起き上がった。



しかし腹を満たそうにも冷蔵庫は空っぽで、おまけに戸棚のストックも切れているというなんとも悲惨な状況。


こんな仕打ちに起きて早々、憂鬱な気分に見舞われてしまったのは言うまでもない。



こんな早い時間から面倒だけど…買い出しに行くしかなさそうだ。

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