第8話
由麻が選んだストライプのクッション、お揃いで使ってたマグカップ。
それから…お気に入りだった花柄の折り畳み傘。
未だに全部残っているのは、こんなのただの痴話喧嘩ですぐに元通りになると思っていたからだ。
『バイバイ』って言ったのは由麻だけで、俺は『サヨナラ』なんて言ってないんだから終わるわけないって思っていた。
でも、現実はそんなに甘くない。
朝起きると、隣に温もりがあるのが当たり前だったのに。
昼休憩には、やたらハートマークを乱用したLINEが届くのが日課だったのに。
疲れて帰ると必ずいい匂いがして、美味しいご飯を作って待っていてくれたのに。
『おかえりコウちゃん』って、由麻が柔らかく微笑んでくれるだけで疲れなんて吹き飛んでいたのに。
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