第5話
「はぁ…」
さっぱりしたはずの風呂上がり。
思わずため息が溢れたのには理由がある。
3日前くらいからシャンプーの残りが少なくなってきたのをすっかり忘れていて。
ポンプを押しても押してもスッカスカの中身がチョロッと出てくるだけだった。
疲れて帰ってきてこんなのイラッとするに決まっている。
この一年、こういうことも数え切れないほどあったからそろそろ慣れてくれてもいいのに。
なんで…慣れるどころかこんなにイライラするんだよ。
「…いただきます」
空腹を満たすべく、戸棚にストックしておいたカップ麺に湯を注ぎローテーブルに運んで待つこと3分。
やっとありつけた夕飯にホッと息を吐く。
平日はコンビニ弁当の世話になることが多いが、今日は雨のせいでそれどころじゃなかったから質素な夕飯だ。
これでも休日は一応自炊してる。
いくつか覚えた料理があるからローテーションで作ったりして。
昼まで寝て、あとは一日中好きな映画のDVD見て過ごしている。
俺はそうやって一人で気楽に生きてんのに…
“あの日”からローテーブルに伏せたままにしてる写真立てには一度も触れることができずにいる。
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