第4話

「…最っ悪」



自宅は駅から徒歩5分という好立地な場所にあるにもかかわらず、家に帰るなり開口一番不満が漏れた。



玄関ですぐに脱ぎ捨てたのは大量に水を含んだ革靴。


足を進めるたびパタパタと髪から水滴が落ちては廊下を濡らしていく。


それが不快でどうしようもないんだから仕方ない。




ああ、不快といえばもう一つ。


22時を過ぎていることもあり、空腹感が半端じゃないのも不快だ。


いや、正しく言いかえれば時間なんて関係なく俺は常に腹が減ってる。


俺みたいな社畜と言う名の奴隷は、ゆっくり昼飯を食ってる時間なんてないから。



…なんて、今はそんなこと言ってる場合じゃないか。


夕飯より何より風呂場に直行してシャワーを浴びることが先決だ。

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