第9話 大学2年

 1年のときにやらかした分、巻き返そうとか考えていたけどダメだった。朝は起きられないし、遠隔授業はつまらない。対面のグループワークも気まずさで逃げ出したくなる。

 少し巻き返したものの同級生との差は拡がるばかり。グループワークがキツすぎて、ほんとに辛かった。

 部活にはめっちゃ通った。文芸部は相変わらず続けていたけど、このときにはあまり書くことに重点を置いてなかった。暇を潰せればいい。居場所が部活にしかなかった。

 バイトは続けていたけど、不安の方が大きくなっていた。今のままでいいのか、たいしたことできてないと。割と同じことの繰り返しで、2年目になるのに成長した感じがしなかった。バイトのメンバーは、僕のことを戦力だと思ってくれているけど過大評価としか思えなかった。僕より仕事をできる人がいっぱいいて、そんななか年数を重ねていくだけでいいのか。マンネリのようなものも感じた。だから、1年2ヶ月ぐらい続けた段階で辞めた。

 バイトメンバーは続けて欲しいと引き止めてくれたし、店長もホールのかなめと意味が分からない褒め方で辞めるのを引き止めてくれた。 

 でも辞めた。新しいことをしたいというのを言い訳に不安から逃げた。飲食店バイトを辞めて、新しくコンビニバイトを始めた。シフトはろくに入れないし、待遇もよくないし、暇な時間があってきつかった。でも続けてたらいいことあると思って、2年生の間は続けた。

 孤独を紛らわすためにエロ漫画を読み漁った。アダルトなノベルゲーもやった。エロは時間潰しに最適だ。疲労で眠るのもセットで半日を平気で潰せてしまう。

 漫画とか映画も色々観たけど、感動するのは観た瞬間だけ。分かち合おうとする頃には熱も冷めていた。だからもうつまらなく感じた。

 本も読んだけど、もう内容を忘れてしまった。案外どうでもよかったんだろうな。

 単位ボロボロ、収入不安定、まともな交流なし、エロに没頭。こんな自分を誤魔化すために麻雀を始めた。最悪だった。

 麻雀をはじめて熱中してしまった。睡眠時間を削って朝までやる。飽きたらエロ同人を漁って、眠くなったら寝る。顔色がすっかり悪くなった。それでも辞められなくて、必要な時間を削って麻雀をやるようになった。中毒者のそれだった。長期休みも全部麻雀に費やした。バイトは入っている日はちゃんと行ってたけど、そもそもろくに入れなかった。

 教習所に通い始めたけど一度逃げ出して、期限ギリッギリになんとか間に合わせた。運転はできるけど、そんなに上手いわけじゃない。免許は取ったけど使う機会がほとんどなかった。

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