第8話 大学生活 歯車が狂いはじめた

 夏休みが終わって、後期の授業が始まった。まだバイトと勉強との両立はできていた。高校時代の友人と焼肉に行く約束をしたり、カラオケに行く約束をしたりと学校以外も充実し始めていた。大学内での友達は少ないけど、授業もまだしっかりこなせていた。友人とカラオケや焼肉に行った。楽しかったし、時間が流れるのが早かった。

 10月に入って、朝起きられなくなった。原因は分からないけど、身体がだるく感じた。授業も徐々に楽しくなくなった。1人で受けないといけない授業についていけなくなった。自分があまり貢献できないグループワークとか上手くできない英会話とかで負い目を感じるようになった。その負い目は一回の欠席を挟むことでより大きくなった。もう居場所はない、ただでさえ活躍してないのに休んでしまった。

 11月の真ん中ぐらいに授業から逃げた。責任から逃げた。僕がいなくてもグループは回っていて、僕がいない方が上手く回っているような気がした。遠隔授業とか対面の聞くタイプの授業も内容理解ができなくて投げ出した。

 このときにまともに続けていたのはバイトぐらいだ。授業から逃げてネカフェで時間を潰す。

バイトでお金を稼いで、ネカフェの漫画で散財する。何やってるんだろう自分とは考えてはいたけど気づかないふりをして、この悪循環を続けた。単位はボロボロ、部活の友達以外繋がりがなくなった。

 洋画を観た、アニメ映画を観た。観終えたときはカタルシス的なもので満たされたけど、すぐに孤独が押し寄せる。寂しい、友人がいるのにこんなことをいうのは贅沢なのかもしれない。でもあの時の自分はずっと寂しかった。

 父親は無職、母との向き合い方は分からない。家族がどんな状態なのか、向き合う勇気がなくてバイトに打ち込んだ。もっとちゃんと向き合ってたら何か変わったのか、このときはちゃんと勉強を続けるべきだった。

 反省してもおそいけど、映画とかアニメとかいろんなものに触れられた気がする。

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