第3話 思春期(中学)
勉強について少しサボり癖が出てきます。きっかけは些細なことで一回課題をやり忘れたこと。その時の楽さは罪悪感を上回って、僕を堕落させてきました。といっても勉強ができないわけではなくてやったらできるというか、平均程度なら普通に取れていました。スマホを買ってもらって好きなゲームもできました。そのゲームはインフレが進んで見る影もないんですけど。初めて子供向けアニメじゃないアニメを観ました。漫画を読み始めました。暗殺教室を大人買いして読んだのは今も覚えています。
運動神経のピークみたいな感じでけっこう運動できました。部活も入って結構しっかりサボらずにやっていました。一つ上のでかい先輩から成長度が一番だと言われたときはとても嬉しかったし、アンダーで思ったところに飛ばすことが出来ていました。ジャンプ力も伸びてきてネットから手が出るようになって。でもなかなかサーブが入らなくて、秋の公式戦でぶっつけ本番で入れたのが初めてです。あの時は嬉しかったな。
2年になって後輩が入ってきました。後輩は11人と大量に入ってくれて、その時はレギュラーを後輩がかっさらっていくなんて思ってませんでした。後輩や同級生たちと一緒に活躍できると思っていた。でも後輩はメキメキうまくなっていきました。僕が優れているのはアンダーとイン、アウトかのジャッジくらいでした。サーブは時々入るようになったけど、後輩はもっと入る。オーバーを苦手だというのが致命的で、リベロのポジションは与えられたものの後輩のほうがよく使われていた。ほぼほぼ控えの情けでちょい役が与えられるくらい。ジャンプ力は順当に上がってきているものの使う機会を与えてもらえず、ぱっとしないまま3年になりました。一番うまかった同級生が部活をやめてサッカー部に移りました。気のいいやつで僕らみたいなあまり出れていない奴にも優しくしてくれたし、一緒にいて楽しかったです。やめた理由も、前にやっていたサッカーを頑張りたいという前向きなものでした。やめても友達だと約束しました。でもそんないいやつに心の中で嫉妬している自分がいて、後輩にも嫉妬して。自分のことが嫌いになりかけていました。それでも一応は練習がある日は参加し、サボらずにやってきました。そんなこんなであっという間に最後の大会。最後の大会は市どまり、僕たちのチームは敗退して県大会には出場できませんでした。泣けなかった。同級生や後輩が泣いたり悲しんだりしている中、僕は何も思わなかった。なんだったんだろうなこの3年間という気持ちとやっと自分を縛っていたものから解放されるという開放感しか無くて、落ち込んだふりだけしていました。高校はバレーボールを続けない。そう決めて男子バレーボール部がない高校を目指しました。正直、逃げたかったんだと思います。このまま続けても後輩や同級生に嫉妬した醜い自分がいた事実が残り続ける。だからもうバレー部時代の知り合いと会いたくなかった気がします。
部活をやめてクラスメイトと仲良く楽しく過ごして、受験もやることやったらしっかりと結果が出て、あっという間に卒業を迎えました。3月9日を先生たちの感謝としてうたったのは覚えています。卒業の時バレー部時代の同級生や後輩と写真を撮って、友人とも写真を撮って中学3年間あっという間だったなって感じでした。部活でつらいことがあったり、迷子犬を学校に送り届けたり、歯を痛めながらイカ焼きを食べたり、体育祭で活躍したり、なんか変な思い出ばっかり出てきます。今思うと楽しかったのかな。
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