第19話
「獅鳳と虎牙はいがみ合っている状態だ、戦力は獅鳳の方が少し上だが虎牙は卑怯なやり方でこちらを攻撃してくる。」
星ちゃんの話を聞くと、こうゆう事だった。
虎牙は1人相手に何人も寄越し潰しに来て、獅鳳の方は自ら進んで攻撃はしなく防衛に徹していたらしいが舞猫が虎牙に入れば防衛も厳しく、ぶつかり合いになるだろうと。
だから、虎牙より先に舞猫を見つけ、チームに属する気があるのか確かめたかったのだと。
もし、舞猫が虎牙に入れば獅鳳は今以上に怪我人が増える。
その前に対策を打とうとしているみたいだ。
私はそれ等を聞いて疑問を持ち、星ちゃんに聞く。
「なんで、虎牙を潰そうとはしないの?」
星ちゃんは少し悲しそうな顔をして俯いてしまった。
「虎牙のメンバーが元獅鳳の仲間だからよ」
ライが呆れた声でそう言う。
「昨日話したでしょ、虎牙は獅鳳が分裂して出来たチームだって」
「うん」
「元お仲間だから手を出さないんでしょ、獅鳳の方は平気でやられているのに」
獅鳳の総長様はお優しいことで、とライは鼻で笑いながらそう話すと、
「あまり、セイを虐めないで貰えますか」
突然知らない男の声がし、私とライは同時に声のした方を向く。
そこには部屋のドアが開いており、1人の男子生徒が立っていた。
「お邪魔します」
そう言って部屋に入って来た男は染めていない黒髪に黒の瞳で黒縁メガネを掛けており、制服もきちんと着た優等生みたいな男子生徒だった。
………どなた????
優等生みたいな男は星ちゃんの近くに寄ると親しげに話し出した。
「セイ、探しましたよ。何度も連絡したのに全く出ないんですから」
「わるい、気付かなかった」
「全く、貴方くらいですよ、こんなにGPSに頼るのは」
私は親しげに話す2人を見ながら、そぉーとライに近付く。
「ライ、誰あの人」
私はコソッと小さな声でライに言う。
するとライからは舌打ちが返ってきた。
え??
突然の舌打ちに驚く私。
すると、優等生みたい子がこちらを向き、挨拶をしてくる。
「突然お邪魔して申し訳ありません、俺は
そう名乗った天宮 伊織とゆう男はニコッと笑った。
…………胡散臭ッ
「…どうも、小鳥遊 美咲です」
私は天宮 伊織を警戒した目で見ながら、ぶっきらぼうに名乗る。
私が胡散臭い笑顔をする天宮 伊織に警戒していると、横からとてつもない低い声がした。
「迎えに来たのなら、さっさと出て行ってくれませんか」
イライラ感MAXのライを見た私はそそそっとライから距離を置く。
「そうですね、セイ行きましょ」
「……嗚呼」
「では、お邪魔しました」
星ちゃん達はそう言って部屋から出ていこうとした。
2人が部屋から出ると、ライがドアに近付く。
「二度と来るな」
そう言ってバァアンッッ!と凄い音でドアを閉めた。
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