第18話

どうしよう、1番警戒すべき獅鳳の総長が来てしまった。


うーーーむ…

今更、居留守は使えないし、無視する訳にもいかない……



ライを見ると誰よ、知り合い?とゆう顔をしていた。

私が星ちゃんと呼んだから、藤井 星空とは思い付かないらしい。

獅鳳の総長をちゃん呼びなんて普通は分からないだろうな。



よしっ

私は意を決して、ドアを開ける。


「やっほ、星ちゃん」

「………」


私は片手を上げ、星ちゃんに挨拶するが向こうは無言だった。

ドアを開けた事で星ちゃんの姿が分かり、私の視界の端で驚く顔をするライが見えた。



「どうしたの?何か用??」

「話がある、今良いか?」


なんだろ、とても嫌な予感がするぞ。

出来れば断りたいけど、そんな事出来もせず、星ちゃんを部屋に入れソファーに座らせる。



うわぁ、ライが鬼の形相だよー

怖いよー


私は出来るだけライを見ないようにした。





「話って何?」


私とライは立ったまま、座ってる星ちゃんを見る。



「舞猫の事で聞きたい事がある」


おっと。


ライは警戒した目で星ちゃんを見ていたが、舞猫と星ちゃんが言った途端、私を凄い目付きで睨んできた。



「舞猫?なんで私に??」

「お前が舞猫は暫くは現れないと言っていた事について詳しく聞きたい」


私は誤魔化そうとしたが、星ちゃんの目を見て誤魔化しは通じないと悟った。



ど、どうしよう…!

てか、あの時起きてたの!!!


私は冷や汗をかきながら、どう切り抜けるか悩んだその時、ライが口を開く。



「私達は舞猫について何も喋らないわよ、貴方達獅鳳や虎牙にも関わるつもりは一切ないからさっさと出て行って」


ライは星ちゃんを睨みつけ、そう喋る。

星ちゃんは視線をライに向ける。



「舞猫について知りたい」

「言う訳ないでしょ」

「何処に居る」

「教えるつもりは無いと言ってるでしょ」

「お前達は舞猫とどうゆう関係だ」

「言葉通じてないのかしら」


ライと星ちゃんがお互い睨み合う。

そして、ライが小さく舌打ちをした。



「そんなに舞猫が欲しいの」

ライは星ちゃんを見下し、冷めた目でそう言う。

そんな、ライの様子に星ちゃんは不思議そうにしていた。



「?別に舞猫が欲しい訳じゃない」


「「え?」」


私とライが一緒になって声を出す。



「……貴方達は舞猫をチームに入れて戦力にしたかったんじゃないの」


ライのこの言葉に星ちゃんはさらに不思議そうな顔をしていた。



「なんでそう思っていたが知らないが、俺達は…獅鳳が舞猫を探してた理由はチームに入れようとしていたんじゃない」

「……なら、どうして舞猫探しているのかしら」


「獅鳳は違っても虎牙は舞猫をチームに誘おうとしている、だから舞猫に聞きたい」

「…何を」


「虎牙に誘われれば入るのかと」

「…で?それを舞猫聞いてどうするのよ」



空気になっている私は静かにライと星ちゃんの会話を聞く。

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