第17話

ライの呆れた顔や、軽蔑するような目に私は戸惑う。


「思っていたより馬鹿だったわね」

ライはため息を吐いて、今度はイライラとしていた。




「水野 光輝は虎牙の幹部の1人よ」

「え??」

「そして、川井 姫乃は虎牙の姫になったみたいよ」

「はい??」


どうゆう事?????


「事の発端は舞猫よ」

「??????????」


私??????




私は混乱し、ライはイラつきながらも説明してくれた。

どうやら姫乃が舞猫と出会った事で虎牙が情報を欲し、姫乃に近付いたらしい。


「いや、姫乃と舞猫が会ったって姫乃の嘘じゃん」

「そうね」

「舞猫と会った事については置いとくとして、なんでそれで姫乃が虎牙の姫になってんの??」

「知らないわよ」


えぇーーー……



どうせ、お得意の嘘とかで虎牙の姫になるようにしたんでしょと呆れ顔のライが言う。

そして、虎牙の姫になった姫乃の傍に同じ1年の水野 光輝を置いとくんでしょ。

守るために。


ライの守るためにと言った時の顔が嘲笑っていた。



「そういえば、水野 光輝にめちゃ睨まれたんだけど何で?」

「警戒でもされてるんじゃない?」

「何もしてないのに!?!?!?」


理不尽過ぎない????



「教師も関わりたくないから放置でしょうね、鈴木は別のクラスに行ってれば良いけど」

最悪、学校を追い出されてなきゃ良いけどとボソッと呟くライ。


なにそれこわい。



「とりあえず、川井 姫乃にはもう関わらない方が良いわよ」

「あーー…虎牙の姫だもんね」


いやでも、こっちが行かなくても向こうから絡んでくるし。

んー…存在感消して、出来るだけ距離を置こう。



「あ”ぁ”〜〜……」

私は呻き声を上げながら身体を横に倒し、頭をライの膝に乗せる。



「舞猫も面倒なのに目をつけられたわね」

「ホントだよー」

「まぁ、舞猫は暫く大人しくしてるし、彼等が諦めるまで待ちましょう」

「いえっさー」

「後、誰かさんが獅鳳の総長に舞猫の関係者みたいに口を滑らせていたから、1番警戒すべきは獅鳳ね」

「………………」



ごめんなさい



ライの棘のある言葉が見事に刺さり、落ち込んでいると…


コンコンとドアをノックする音が部屋に響いた。

私は身体を起こし、ライと私は警戒しながらドアを見る。



一瞬ライと目を合わせ、ライは立ち上がり、ドアの前に立つ。


「…誰」

「……俺だ」

「誰よ」


訪ねてきたのは、男らしい。


あれ?

私は訪ねてきた男の声に聞き覚えがあった。

私はライの隣に立ち、もしかしてと思いドアの向こうの人物に話しかける。



「星ちゃん…?」

「…………嗚呼」


私の感は当たり、ドアの向こうの人物は星ちゃんだった。

隣に居るライは誰よと目が語っていた。

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