第14話
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変わった女だった。
毎晩、舞猫を探していた俺は昼間に寝ていた。
その日は寝過ごしてしまい、そんな時に出会った変わった女。
初めてだった、名前を聞かれたのは。
大抵の人は俺を知っていて、俺もそれが当たり前になっていた。
しかも、ちゃん付けで呼ばれるなんて初めてだった。
睨みつけてもビビらなかった女。
逆に3階から飛び降りてこっちがビビった。
媚びを売るでもなく恐れる事もしなかった変わった女。
3階から飛び降りても平然として歩いゆく変わった女が少し気になっただけだ。
だから、また会えるかなんて聞いてしまった。
それから、チームの奴らと合流してから舞猫探しを始めた。
だけど、俺は舞猫よりあの変わった女の事を考えていた。
綺麗な顔をしていた。
月明かりに照らされた真っ直ぐで長い黒髪と同じ黒い瞳。
小さな顔にスラリとした細めの身体。
あんな奴が学校に居たんだな。
「セイ?どうかしたんですか?」
「……何でもない」
仲間の1人が不思議そうにしていたが俺は誤魔化し、舞猫を探す事に集中した。
だけど、この時も舞猫は見つからなかった。
朝になると学校へ行き、何処か眠れる場所を探した。
溜まり場で寝ても良いが天気が良かったので外で眠りたかった。
暫くして俺は良い感じの木を見つけたので木に登りそこで眠りについた。
まさか、こんなふうにまた会うとは思いもしなかった。
気配がし目を開けると、驚いた顔をしたあの変わった女が目の前に居て俺も驚いたけど、眠気の方が勝っていた。
女は危ないからと言って俺を部屋に入れた。
部屋の中を見て俺はまた驚いた。
何なんだ、この女は。
女はソファーに座っても良いと言うからとりあえず俺は座った。
女はそわそわとし落ち着きがなく、飲み物がいるかと聞いてきたが断った。
女は噛んだ事に顔を真っ赤にさせ、俺の隣に間を空け座る。
ソファーが良い感じのふわふわ感で寝そうになる。
眠りそうな中、俺は思った。
この女は普通なんだと。
この女の俺を見る目が普通で、なんの欲もなく俺をただのその辺のヤツらと同じ目で見るんだ。
変わった女。
眠り掛けている時、女の声がした。
「舞猫は暫くは現れないから、今探しても会えないよ」
どうゆう事だ…?
聞き返したいはずなのに、俺はそのまま眠りに落ちた。
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