第12話
ドーナツ屋に着いた私は悩みに悩んで4種類のドーナツとオレンジジュースを購入し、テーブルに着き、ライの到着を待ちながらゆっくりとドーナツを食べる。
もぐもぐと2個目のドーナツが食べ終わる時、ドーナツを2個とお茶を乗せたトレーを持ったライが来て、私の目の前に座る。
「おはよー」
「おはよう、2日も学校サボって大丈夫なの?」
「大丈夫でしょ、明日はちゃんと授業受けるし」
ほぼサボっているライとは違い、真面目な振りをしている私は2日も学校をサボってしまっている。
明日はちゃんとするぞ。
「ねぇ、ライ、藤井 星空ってイケメン知ってる?なんか舞猫探してるみたいなんだけど」
3個目のドーナツを持ち、ライに星ちゃんの事を聞いて、ドーナツを食べる。
すると、ライは驚いた顔をして私を見る。
「どうしたの?」
「周りに興味がなかったあんたからその名前が出てくるから驚いたのよ」
「知ってる人なの?」
「むしろ知らない方が可笑しいのよ、藤井 星空を知らないなんて学校で美咲だけよ」
「まじかよ」
そんな有名な人だったの…!星ちゃん!!
「芸能人とか?」
私がそう言うと、深いため息を吐いたライ。
「あのね、青嵐高校には今2つの族がある事は知っているわよね?」
「知らない」
「嘘でしょ!?!?!?」
どれだけ周りに興味が無いのよ…と頭を抱えるライの姿を見て少し申し訳なくなった。
ライははぁーーーーーーーッと長いため息を吐くとキッと私を睨みつける。
「良い?青嵐のは2つの族が居るのよ、
ふむふむ、獅鳳に虎牙ね。
「獅鳳の方は前からあった族なんだけど、今の代の総長に変わった時に納得がいかなかったみたいで分裂して出来たのが虎牙なのよね」
「なるほどねー」
「獅鳳の方は悪い噂とか聞かないけど、虎牙の方は少し派手みたいで関わることはオススメしないわよ」
「派手?」
「虎牙の総長は俺様で女遊びも激しいみたいだし、喧嘩も卑怯らしいわよ」
「へーーー」
……あれ?星ちゃんの事を聞いたのに何故この2つの族の話に???
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます