第9話

「おー、上がったか」


お風呂から上がり、リビングに向かうとソファーに座ってるスイに話し掛けられる。



「アイスあるけど、食べるか?」

「……食う」

「…ソファーに座って待ってろ。後顔が天龍の総長の頃に戻ってるぞ」

「…まじか」


私は自分の前髪をくしゃくしゃと掻いて、苦笑いをし、ソファーに座る。




スイは私がソファーに座ると私の頭を撫で、キッチンの方に向かった。


私は深く深呼吸をし、目を瞑る……





「なんで、あんたはッ…………」


そう言って悲しくて泣きそうになる顔をするお前……

いや、お前達か…


どうしてそんな顔をするの…?



思い出すのは天龍の仲間のこと…

大切な“俺”が守りたい仲間達。

なのに何故いつの間にあんな顔をするようになったんだろ……



分からない……







「ッぎゃあ!!」


目を瞑って、昔の事を考えてると突然首に冷たい物が当たり悲鳴を上げる。



「色気ねぇなー」

「スイ!!!!」


私は勢い良く振り返ると、両手にアイスを持ったスイが居て呆れていた。



「女の子ならもう少し可愛い悲鳴でも上げろや」


スイはそう呟きながら、私の隣に座って、アイスを差し出す。



バニラ味の棒付きアイスを口にする。

お風呂で温まった身体に冷たい物は最強である。




それから、スイとお互い1日何をしていたか話し合い、私がほとんど寝てた事にスイには呆れた顔をされた。


そして、いつの間にか眠ってしまった。










「っふっわぁあ」


朝、学校に登校した私は、旧校舎の部屋に来て、ベッドに座りでっかい欠伸をしていた。


ライはまだ、学校に来て居ないようだ。


学校に来てとりあえずは教室に居たが、姫乃が何やらうるさかったので、旧校舎に避難してきた。

別名、サボりともゆう。



私はポケットから煙草を取り出し、窓に向かう。


ここの窓は型版ガラスで外の景色が見えずらいのだ。

そう、景色が見えにくく、ついでに外には木があり葉が窓を覆い隠すように広がっている。



私は煙草を咥え、窓を開けると緑輝く葉ではなく…

そこには1人の男がいた。




「は?」



何故か木の上で寝ている男………そう、夜に出会った星ちゃんが居たのだった。




なんで????????

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