第8話

このJADEのオーナー、広瀬ひろせ すいの姿があった。


ブルーアッシュで濃いめの青のメッシュを入れ長めの髪を後ろにまとめ、翡翠色の瞳にワイシャツとズボンとゆうラフな格好をしている20代にしか見えない30代の色気のあるイケメン。




「…まだ、起きてたの」

「誰かさんの帰りを待ってたらこんな時間になったのさ」

「……ごめんなさい」


スイの嫌味ったらしい言い方に私は謝ることしか出来ない。




「晩メシ出来てっからはよ食え」


スイはそう言ってカウンターに料理を並べる。



「スイは?」

「もう食った」


私はカウンターに座り、オムライスとスープと野菜を見る。


私はスプーンを手に取り、料理を口にする。

オムライスは温かくてそれに疑問を持つと、どうやら入口でソワソワしてる影をスイは見て、料理を温め直したらしい。


美味しいと口にしながら、料理を食べ続ける。





「あ、スイ。しばらく喧嘩は大人しくする」


朝の舞猫騒動により、私はしばらく大人しくするように決めた。


スイも舞猫の正体が私だと知っている。




「そっか。まぁ、最近暴れすぎだしな」

スイのその言葉に私は少しむっとした。


「そんな事ないし」

「じゃ、聞くけど、毎晩ふらっと出ていって、返り血や切り傷だらけで帰ってくるのは何処のどいつだ?」


スイの正論に私は何も言い返せず、小さくなり黙って料理を食べる事しか出来なかった。





ご馳走様でしたと料理を完食し、皿を洗おうとしたがスイに取られ、とっとと風呂に入ってこいとの事。


私はそれに甘え、2階へと上がる。


まず、自分の部屋に行き、着替えを持ってから、風呂場に行く。





脱衣場に入って服を脱いぎ、ちらりと鏡に映る自分の姿を見る。


傷だらけで汚い身体………




あまり自分の身体を視界に入れないようにし、シャワーを浴び、湯船に浸かる。


「…きもちい」




温かいお湯に癒されながら、ふと思う。


そんなに最近喧嘩してたかな…

あんまり記憶が無いや。




「……ごめんな…」


“オレ”の小さな嘆きが浴室内に響いた。

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