第7話

殺気も出して睨みつけるなんて、怖いじゃん。

普通の女子なら泣くよ???


まぁ、私は泣かないし、なんなら本当は怖くもない。





私はキャンディを口の中で転がし、食べ物も貰ったし帰るかっと思い、窓枠に片足を乗せる。


「それじゃ、キャンディありがとうね。さようなら、星ちゃん」



私はそう言って、窓から飛び降りた。



私が飛び降りた瞬間、見えた星ちゃんの驚いた顔。

そりゃそうだ、ここは3階。


だけど、私は綺麗に着地し、そのまま何事も無かったかのように歩き出した。




「おい!」


上から声が聞こえた。



「ん?」

私は振り返り星ちゃんの方を見上げた。


「また会えるか?」


星ちゃんのその言葉を聞いて、私はきょとんとするが、直ぐにふっと笑って。




「君が望むならね」


私はそう言ってこの場から立ち去った。



藤井 星空か…

不思議な少年だったな。




満天の星を眺めながら、私の顔は笑っていた。












さて、少し楽しい気分だった私だけど、

今は少し焦っている。



私は今、繁華街にあるJADEと云う名の喫茶店のドアの前で立ち尽くして居る。


そうこのお店は1階が喫茶店で2階が自宅になっている。

私が今住んでいる場所だ。





「……よし」


私は静かにドアを開け足音を立てず、中に入る。




「おかえり、馬鹿猫」

「ぎゃっ!」


中に入った瞬間、聞こえてきた男の声。


声の方を見ると、カウンターでコップを磨いている1人の青年。

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