第4話

ここは旧校舎のとある3階廊下。


旧校舎と言ってもそこまで古くない。

ここの廊下は何故か人がまったく来ない。



私は少し歩いて、ドアの前に立つ。



私はポケットに入ってるこの部屋の鍵は出さなかった。


何故なら、鍵は空いていると思ったから。



私はドアを開け中に入る。



部屋に入ると、中はまるで自分の家のような感じである。


テレビに小さいけど冷蔵庫にソファーやテーブル、本棚にゲームもあり。

ベッドも2つある。


なぜ学校にしかも旧校舎にこんな部屋があるのかは今は置いておこう。



私はチラッとソファーを見ると、そこにはソファーに寝転びスマホを見ている佐野 雷の姿があった。




「ねむい」


私はそう呟くと、2つあるベッドの私専用の方に飛び込んだ。


私専用のベッドは窓側にあって日が当たりポカポカして暖かいのだ。




「美咲、川井の事だけど」



私がもぞもぞと布団の中に潜り込もうとしていると、佐野 雷がスマホから目を逸らさずそう呟く。




「あー…あれね、嘘だよ」


私はうとうとと眠気に襲われながら、そう答える。



「ふーん…まぁ、そんな気はしてたけど、けどね、あんた最近喧嘩しすぎ」

「えー?そうかな?」

天龍てんりゅうに見つかっても知らないから」



「それは嫌です」



佐野 雷の意地の悪い言い方に私は拒否を示し、布団を頭まで被った。



佐野 雷は私の親友で付き合いが長く、ある程度お互いを把握している仲で、私の唯一の女友達だ。




私は基本、佐野 雷をライと呼んでいる。

ライは性格はキツいが、友達想いでとても良い子なのである。


性格はキツいが。




私が目立ちたくないが為に普段はただのクラスメイトその1とゆう感じで距離を置いてもらっている。

そんな私のわがままさえ、ライはないも言わず叶えてくれる。


ありがたい親友様である。




さて、話は舞猫に戻すが。


舞猫、その正体は実は私、小鳥遊たかなし 美咲である。


最初は強くなりたくて、喧嘩をしてた。

そのうち大事な者を守りたくて喧嘩をするようになった。


そして今は……

なんで喧嘩をしているんだろ…


自分の事なのに自分が分からないや。




天龍から姿を消しても、私は喧嘩をやめる事はしなかった。


天龍とは全国トップの暴走族だ。

私はその天龍で総長をしていた。



先代達に土下座でもするんじゃないかって勢いで総長になる事をお願いされ、渋々引き受けた。



私は人の上に立つ器では無いのに…



そんな事を考えてたら、私はいつの間にか眠りについていた。

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