4話 ギフトは望んで手に入れる訳ではない


「お前ってさ、昔からだけど頑固な所あるよな~」


 笑いを我慢しながらそう言ったのは中学からの友達であり、この学校に居る唯一の知り合いでもある、名前は滝 浩二だ。昔からコージなんて安直なあだ名で呼ばれている。


「俺は俺のためにこんな力なんて使いたくないんだよ」


「やっぱり頑固だな」


 我慢出来ないといった具合にコージはプルプル震えている。


「いや、いくら頑固だとしても分かってるんだったら"鳥のフン"ぐらい避けろよ!」


コージはついに我慢の限界に達したのかケラケラ笑いながら俺の背中をバシバシ叩いている。


 割と痛い


「だから……」


俺が反論しようとした所をコージは手で遮る


「まぁ、いつもの事だがもう一度いわせてくれ、もしお前が命に関わるような先の事が見えたならそんなプライドは捨てて真っ先に自分の命を守れ。"あんな事"が起こっちまったのはお前のせいじゃないんだからな」


 コージはいつものヘラヘラとした顔ではなくえらく真剣な顔で、目で俺の事を見る。


「ったく、分かってるっての」


「ならいいんだけどな!」


 それだけ言いコージはは真面目な顔から一変し、いつものヘラヘラとした表情に戻った。


 コージや藍井は優しいから、決して俺のせいではないと言う。だけどあの事故が起こってしまったのは、誰が何と言おうと俺の責任だ。それだけは譲れない。



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