3話 友、襲来


「お兄ちゃーん!急にボーッとしてどうしたの?」


「ん、あぁ少し考え事してた」


お兄ちゃんが考え事?

みたいな風に妹がこちらを見てきている。

ちょっとイラってきた、可愛いから許すけど。


「そんなことより今日って入学式なんでしょ?早く行かなくていいの?」


そう言い、少し心配そうな顔でこちらを見る。


「今日は6時半からだからまだ大丈夫。栞だって今日から新学期だろ?早く行かなくていいのか?」


「今日は友達が迎えに来てくれるからだいじょうぶー」


___ピンポーン



「……ちょうど来たっぽいな」


 妹と顔を見合わせながらインターホンを確認する。


 結構身長高いな、最近の中学生ってなんか全体的に身長高くないか?


「あ!待って、まだ着替えてない!」


 ふと栞を見る。


 別に髪がボサボサしている訳でもなく、なんならパジャマのはずなのに清楚味まで感じる。

うん、可愛い。


「俺がちょっと待ってねって声掛けてこようか?」


「うん!お願い!!」


 俺が言うのとほぼ同時にが返って来る。我が妹はそれを待ってましたって顔してるな……


まぁいいんだが。


ガチャッ


少し建付けが悪くなっているドアを開けると、朝から元気そうな顔をした女の子が仁王立ちをしていた。


……なんで仁王立ちなんだ?


「えーっと君は……」


何故か仁王立ちしている目の前の女の子に困惑しながら俺はそう聞いた。


「あ、品田 咲っていいます!栞ちゃんの友達です!」


(さく....あぁ、あの子か!)


「あぁ!咲ちゃんか!妹の栞がよく君の事話してたよ~!全校リレーで2年生なのにぶっちぎりで1位取ってたとかなんだとか!」


「そうですそうです!私2年生なのに1位だったんですよ!凄くないですか!?」


 自信満々、元気ハツラツ!っといった感じの咲ちゃんと、主に栞のことについて盛り上がっていると


「え、えっと....咲ちゃんとお兄ちゃん?」


 当の本人の栞が少し顔を赤らめながら家から出てきた。


(顔が赤い……?体調がわるいのか!?)


(栞ちゃんの顔が真っ赤……!?も、もしかして……)


「「栞どうした!(どうしたの!)」」


「えっ……あの……ちょっと……話を!!」


 そんな栞の声も慌てている2人の耳には届かず、熱でもあるのか!?体調がわるいのか!?も、もしかして恋!?と仲良くあたふたしていると、栞が痺れを切らしたかのように……


「……ッッ!2人の!声が!大きいんです!!」


 俺たちは何故か玄関前で正座をさせられ、こっぴどく叱られる羽目になった。


 いや、正直分かっててやりました。はい。

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