2話 か、カブトムシ?


「急にカブトムシなんて言うから驚いたけど、寝癖の事だったのか....」


カブトムシなんて言い出すから頭の上にでも乗っているのか!?なんて考え、慌てて洗面所に走り込んだら、髪が一直線に逆だっていた。


悔しいが、確かにカブトムシみたいだった。



「カブトムシ凄かった」


「寝癖な」


「またするの?」


「逆にどうやってするんだよ」


なんて軽口を叩きながら朝食をとる。


今日の献立は、大根、豆腐、にんじん、などがたっぷり入っている具だくさん味噌汁。

オーソドックスな目玉焼きにウィンナー。

そして、日本の宝。お米だ。


「うまっ...」


お世辞でもなんでもなく、つい声に出してしまう。いや、本当に美味しいのだ、なにこれ?伝説の料理人だったりしちゃう?うちの妹って。


「ありがとう!」


満足気に目を細めニッコリと微笑む。


どういたしましてと頭を撫でてやるとより一層嬉しそうにしていた。


そんな妹を見て身も心も暖かくなりながら今朝の夢の事を思い出す。


(あの女の子は誰だったんだろうか...)


俺は誰よりも勘が鋭い。

そういうギフトを与えられているからだ、

そんなギフトには個別にルールが存在している。


俺のギフトの場合は、

関わった事のある者以外の顔は、ぼやけて見えない。というような感じにだ。


しかし、今日夢で見た女の子はハッキリ顔が映っていた....はず....


「どうも夢だからか正確に思い出せないんだよなーーー......」

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