episode15~電話~

episode15~電話~


『もしもし!!恭一か!?』


「はい、どうしたんですか、神原さん?」


『お前、試合終わったあとのクリスマスイヴだからって、今日ケーキ、バカ食いすんなよ?』


「…なんすか?そのための電話ですか?」


『まーな!!俺からのクリスマスプレゼントだと思え!!』


「…全然ありがたいアドバイスでも何でもないのに、これがプレゼントですか?」


『~ったく、最近のお前は冷てぇな!!!わぁったよ!!もう一個プレゼントだ!!今からロードワーク行け!!』


「…プレゼントでもなんでもなく、ただの練習メニューですね?」


『いやいや!!いつものメニューじゃなくて、走るコースの途中の鉄橋下あるだろ?あそこでサーキット3セットな!!』


「…鉄橋下じゃなきゃダメですか?」


『ったりめーだろ!!あそこじゃないと通行人様の邪魔だろ!?』


「…」


『てなわけで頑張れよ!!』


「やりませんよ、そんな無茶ブリ…」


『…お前、マジで言い返す様になったな…。まっ!!いい傾向として受け取っとくよ!!』


「意味わかんねぇっす…。」


『あ~…あとオマケにもうひとつ。』


「まだあるんすか?」


『俺が思うに、珠恵子ちゃんはまだ処女だとみた!!』


「………はあぁぁ!!??」


『ククク、じゃなきゃあんなめっちゃ重い発想のこと言わねぇよ。』


「なんすか、それ!!??どういう意味っすか!!??」


『知りたかったら今すぐにロードワークとサーキットな!!』


「なっっ…!!??」


『今!!すぐに!!…な?』


「…大したプレゼントっすね?」




河川敷で筋トレをしていたら、




「キョウオォー!!!」




ずっと会いたかった人の呼ぶ声がした。



…ホント、


大したプレゼントですよ。

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