第18話 三分間

指定された宿に到着し、部屋のかぎを受付の方から受け取る。


今回は4人でまれる大部屋を借りたらしい。


「わ〜い!」


荷物を入口付近のたなに置き、ベッドに飛び込むあおい


「わ!ふかふかだ〜」


「うわ〜すごいふかふかだな」


同じくベッドでごろごろしてる幸介こうすけが言った。


宮﨑みやざき。テレビつけてくれ〜」


「自分でつけろ」


と言いつつもテレビのリモコンを操作する。


夕方にニュースがやっていた。


こっちの世界でもニュースとかあるんだな…と思いながら見ていると、


「ん?」


ふと気になったニュースがあった。




『私立クローミズム学園有力候補生。果たして誰が合格するのか!?』




すごい。個人情報のへったくれもないな…


じゃなくて、私立クローミズム学園を受験するうえで、所謂いわゆるライバルになりる人たちってことだ。


「私立クローミズム学園のニュースか?」


「有力候補生?」


同じく幸介と葵も気になったようだ。


ニュースの内容をくわしく見てみる。



「この私立クローミズム学園はこの国最高峰の学園です。つまり、私立クローミズム学園の受験日には各地方からたくさんの猛者もさたちが集まります。その中でも特に期待されている方を紹介していきます!」


「楽しみですね〜」


「まずはこのフリップを御覧ください!」


一人の男性コメンテーターがフリップをかかげる。


「やっぱりこの方々ですか!」



フリップには


カロライナ・ジャスミン


スカーレット・アイリス


ハマユウ・サクラ


と三名の名前が書かれていた。



たぶん僕ら三人とも同じことを思っただろう。


「「「えっ!?日本人?」」」


まさかのこの世界に転生して来た人が僕たち以外のもいたのか…


いや、まだNPCの可能性もなきにしもあらずだ。


そんなことを考えながらもニュースは続く。



「この方々の今回の注目ポイントは?」


専門家らしき人が答える。


「この御三方は筆記は勿論もちろんのこと、魔法/武術/射撃においてそれぞれ過去最高の実力をそなえています!」


「なるほど〜。これはこれは明日ある受験の結果は見逃せませんね〜」



なんとも平凡へいぼんというかそんな回答をしていた。


っていうか”この学園に知らない誰かが合格した”ってこの国の人々は興味があるのか…?とそんなことを思う。



すっかりそのニュースにくぎけになっていたため


「みんないるか〜?」


とヒューベルクさんの声に三人ともびっくりするのだった。


「おいおい…みんなしてそこまでおどろかなくても…」


「ニュースを見てるときに大きい声だされてはそれは驚くでしょう…」


「まあそれもそうか。ところでなんのニュースを見ていたんだ?」


ニュースの内容を軽く伝える。


「なるほどな〜…ハマユウ・サクラ…か」


なにか知ってそうな感じがした。


「ハマユウ……サクラ…」


幸介も少し考え込んでいる。


「ハマユウ・サクラという言葉をどこかで見たことがあったような気がするんだよなぁ…」


葵と僕は全く、見たり聞いたりしたことがなかったので、きょとんとしている。


「まあとりあえず夕飯買ってきたからみんなで食べようぜ!」


流石さすがヒューベルクさん。ちょうどいいタイミングだ。


ふくろの中にはあのくりーむパンとカレー、保存食のあめ。あとはどこかで見たことがあるような日◯のカップラーメンがそれぞれ4つずつあった。


「それぞれ一つずつだぞ〜」


カップラーメンにお湯を注ぐ。


くりーむパンはあまり好かないため、葵か幸介に渡した。


「よっしゃ!」


どうやら葵がくりーむパンを手にしたようだ。


カップラーメンのふたを閉めて、3分間待つ。


「三分間待ってやる!」


ひまそうにしていた幸介が言う。


バ◯スって言ったほうが良いのかな…


正直どっちでもいいようなことを考える。


そして腹時計具合で約3分がたった時、


四人は頃合いを見て蓋を開ける。


すると幸介がまた、


「目がぁ目がぁぁ…」


さけんでいる。


誰もバ◯スって言ってくれなかったから一人で続けてるのかな?とも思ったが。


どうやら違ったらしく、開けた拍子ひょうしにカップラーメンの蓋についていたお湯が目に入ってしまったらしいのだ。


そんないつもどおりな幸介を見ていると、受験前日という緊張感を一瞬だけ忘れることができた。



「「「ごちそうさまでした!」」」


ニュースでも言っていた通り、明日は受験だ。


ホテル併設へいせつの大浴場であせを流し、歯をみがく。


「おやすみ」


他の三人よりも少し早く寝ることにした。


葵はまた別の本を読んでいるようで、幸介は面白そうなアニメを見ていた。


明日って受験本番だよな…?


そんなことを思いながら目を閉じるのだった。


<あとがき>


小説をいつもありがとうございます。

作者こときりむぎです。

誰かさんに感化(?)されて始めてみました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見て頂けると幸いです。


週2~5投稿予定です。(ほぼその日の気分次第…)

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

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