第17話 素早く駆ける

「とまあこんな感じだったなぁ〜」


「みんな充実してるなぁ。こっちは音ゲームきわめてたな〜」


そういやここらへんの時期ぐらいに大会で優勝していたことを昔聞いた気がする。


そんな穏やかな時間が続いてたのもつかの間。


ドンッ!と大きなにぶい音と同時に、荷台内に衝撃しょうげきが走る。


「大丈夫かっ!?」


ヒューベルクさんが荷台にけ込んでくる。


三人とも大丈夫ですと返した。


「それよりも何があったんですか!?」


襲撃しゅうげきだ!」


全員に先ほどまでは全く感じなかった緊張感を犇々ひしひしと感じる。


近くにおいていたみがかれた武具を持ち、臨戦態勢に移行する。


馬車近くだと馬やヒューベルクさんに当たるかも知れない…


ノー勉で受けたテストの時ぐらいに自分の頭を働かせる。


「とりあえず敵を撹乱かくらんしてくるから戦闘の準備をしてくれ」


とだけ言い残し荷台から出る。自分の身体を信じて。



ざっと確認しただけで10体。いや15体ほどか…


「流石に一人だけじゃきついか…」


敵陣に突っ込む。


「あくまで撹乱だから体力を減らさないように‥」


すんでのところで相手の攻撃をかわしつつ、馬車から遠ざかる。


敵もつられてこちらに向かってくる。



「よし。作戦通り」


ただ、未だ戦況せんきょうは不利な状態。


「いやぁ…早く二人とも来てくれるかなぁ…」


防戦しながら二人を待つ。



すると、


「…ッ!?」


敵が驚いているようだ。さっきまでの覇気はきみたいなものはない。


それもそのはず、さっきまで圧倒的有利状態から挟み撃ちになっている状況なのだ。


「よお!宮﨑みやざき。生きてるか〜?」


「ちゃんと生きてるぞ〜」


「流石”みや”だね〜」


幸介こうすけはタガーで攻撃を仕掛ける。


敵も攻撃を防ごうとするが…幸介の重い攻撃は防ぎきれず、負傷する。


「じゃあ離れて〜!」


そのけ声の瞬間、一斉いっせいに離れる。


「ブラストアロー!!」


目の前を爆風が通り過ぎていく。


こんなんあたったら絶対痛いだろ…


「敵は…?」


流石にあの躱しようもない攻撃…無傷ではすまないだろう…


しばらくしても特に現れることもなかったため、いま来た道を引き返し、馬車へと向

かう。


地図をみながら、少し開けたところまで歩く。


「みんな無事かっ…!?」


心配そうに駆け寄ってくるヒューベルクさん。


「こっちは無事です。ヒューベルクさんと馬車は?」


「あぁ…君たちのおかげで無事だよ…最初の攻撃も運良く金属部分にあたってくれた。よくやってくれた!」


その言葉を聞き、大きな安堵感あんどかんがもたらされた。


「とりあえずここから離れよ〜」


葵の提案通りすぐに馬車に乗り込み、なんとも不気味ぶきみだった山間を抜け出す。


「それにしても襲撃なんて本当にあったんだな〜」


とタガーをおろして寝転がる幸介。


「それな〜」


「っていうかブラストアローの威力いりょく上がってない?」


「やっぱバレた〜?実はちょっとだけMPとか増やして出力を上げたの」


「MPってそう簡単にあげれるものなのか?」


「病院で暇だったから『MPに関する本』を読んだらできたよ〜」


MPって便利なんだな。まあ僕にあっても使えないけど…


そんな話をしていると…


ふもとに町が見えてきたぞ〜!」


そこはこの世界に来てから最も大きな町のようだ。


「とりあえず今日の宿はシャワー、洗面所あるぞ〜!」


「やったぁ〜!」


流石に2日連続風呂なしは身体をタオルでいてるとは言え、まずい。


「久しぶりのベッドかぁ〜!とりあえず夜ふかしするか!」


「やめろっ」


せっかくのベッドを使わずに徹夜てつやしようとしてる幸介を止める。


そんなこんなで鬱蒼うっそうとした竹林を抜け、舗装ほそうされた道を行く。


「馬車を置く場所に行ってくるから、先にこの宿に向かっといてくれ」


荷台の荷物を3人でかかえながら、ヒューベルクさん言われた場所へと向かった。



<あとがき>


小説をいつもありがとうございます。

作者こときりむぎです。

誰かさんに感化(?)されて始めてみました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見て頂けると幸いです。


週2~5投稿予定です。(ほぼその日の気分次第…)

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

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