第14話 ざっくりとした目標

「ココって確か…」


このゲームの大まかなマップを知り尽くした幸介こうすけが言う。


私立クローミズム学園があるところじゃないか?


「「私立…クローミズム…学園?」」


「確か私立クローミズム学園はこの国最高峰の学園で、みんなここを目指してるとか…」


「よく知ってるな〜…K.O.?だっけか…」


そういえばそっか…このゲームの登録名は本名じゃなくてネット名だから、NPCからはそう呼ばれるのか。なんか違和感がすごいな。


「図書館はその私立クローミズム学園に併設へいせつされているってこと?」


みかんのようなフルーツをおいし〜と言って頬張ほおばっているあおいが質問する。


「そうだな〜…しかもうわさによると一般国民に公開している図書館もあるけど、私立クローミズム学園の学生限定の普通の図書館よりも大きな図書館がさらにあるらしい…」


「そこにいけば、もしかしたらお目当てのものについて書かれてるかも知れない…と」


「そーいうことだ」


これで当分の目的は出来た。


「あとはどうやってその学園内に潜入するか…」


「そう言えば、町の案内板に”受験について”みたいなのなかった?」


葵が思い出したかのように言う。


「よし!怪我けがが治れば見に行くぞ!」


幸介がそう大きく宣言をした。


「まあ元気そうでよかった。よかった。また私立クローミズム学園に行くときは声かけてな」


そして、ヒューベルクさんは立ち去った。


マジでいい人すぎる…!


「そうと決まれば、早く怪我治さないとな!」


と言い、三人は早々と睡眠を決め込むのだった。



数日後、


懸命けんめいな治療となぞの治癒ポーションの効果もあり、すぐに退院することが出来た。


それにしても骨折を一瞬で治してしまうとは………


「さて!それじゃ掲示板見に行きますか〜」


掲示板には1番大きな文字で”受験のご案内”と記されており、昔の高校受験を思い出す。


「えーと…なになに?受験内容は筆記と?」


「魔法と体術と射撃?」


筆記試験はその名の通り、学力を測るものだと思うけど、魔法?体術?射撃?


見た感じどれかを選択するということはわかるけど…どう対策すれば…


「なんだかんだ言って高校受験も乗り越えてきたし、なんとかなるやろ〜」


気楽な幸介は掲示板けいじばんをflappatでパシャッと撮影し、ヒューベルクさんの店へ向かうのだった。


「まぁ考えてもわからんからなぁ…とりあえずヒューベルクさんのところ向かいますか〜」


「そだねぇ〜」


僕たちも幸介のあとを追うのだった。



「おっ!いらっしゃい!やっと治ったんだな〜」


「はいっ!おかげさまで…」


「ここに来たってことは私立クローミズム学園に行くんだな…?」


「「「はい!」」」


「よしきた!それじゃ馬車に乗って〜」


重たい荷物を後ろに置き、みんなで乗る。


交易用と思わしき宝石類やファーリッピがたくさん荷台に積まれてあった。


「それじゃ出発するぞ〜」


ヒューベルクさんの掛け声とともに、馬車はゆっくりと動き出した。


今日はまだすずしく、絶好の馬車旅ばしゃたび日和びよりと言ったところだろう。



町の中心地を抜け、整備された街道から砂利じゃり道へと変わっていく。


周りも建物の数が減っていき、次第に木々に囲まれるようになっていった。


「着くまでどのくらいかかるんですか…?」


葵がたずねる。


「ざっと3~4日くらいじゃないか…?」


結構長いな…


ざっくり言うと、東京から名古屋間を歩いて3. 5日だからそのくらいの距離だ。


「まあまあ遠いね〜」


「その間は暇だし、武器の手入れとか考え事とか色々しておくか〜」


馬車はそんなことを話す間でも快調に走り続ける。


各々好きに時間を使い、馬車旅1日目が過ぎていくのだった。


<あとがき>


小説をいつもありがとうございます。

作者こときりむぎです。

誰かさんに感化(?)されて始めてみました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見て頂けると幸いです。


週2~5投稿予定です。(ほぼその日の気分次第…)

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

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