第09話 りっかりっか!

「だ…だっ誰だ!?」


後ろを振り返るとそこには…


「よお」


深く重みのある声で話しかけて来たその男性は


「えっ!?さっきのおっさん!」


「誰がおっさんじゃっ!」


そこには、転生前に一度だけあった店主がいた。


「ところでキミたち今困ってるんじゃないのか?」


そうだった…


「今日とまる場所が…」


「その様子を見るに宿が無いんだな?」


全部言い終わる前にすべてをさっしたかのような…


「そう…です…」


しばらく沈黙が流れたあと、


「そろそろ店仕舞みせじまいするからよ、手伝ってくれたら宿くらいなら貸すけど…」


「えっ!ほんと?」


その言葉を聞いて真っ先に反応したのはあおいだった。


先程までの困惑した表情はなく、パァッと明るい笑顔で


「ありがとっ!おっさん!」


「誰がおっさんじゃ!」


「僕からも。ありがとうございます…店主のおっさん…」


「誰がおっさ…」





歩きながら、ヒューベルクと名乗る店主は語りかけてきた。


「そういや気になっていたんだが、あいつはキミらのお連れさんか?」


未だに生気が抜けてるかのように立っている幸介こうすけを指していた。


「そうだね〜」


葵が返答する。危ない危ない…幸介の存在を忘れるところだった。


そういえば読者さんたちも実は幸介の存在を忘れていたんじゃない?


「どこ見てしゃべってるの〜?早く幸ちゃん起こしに行くよ〜?」



おっと!そうだったそうだった…


「今行く!ちょっと待って〜」


「おーいっ!幸介〜」


「おーい!幸ちゃん〜」


と二人で言いながら、幸介の体をすってみたり、ほおつねってみたり…



そんなことをしばらくしていると幸介は目が覚めたようだ…


「えっ…ここはどこだ…?あと…」


と続けて幸介は


「今っ!どーいう状況だ〜これっ!?」


「どーいう状況って…見てわかるやろ〜」


「いや、わからんから聞いてるやん!仮に百歩もゆずったとして今どこにいるかとかはまだいいとし

て、なんで宮﨑は逆立ちしてるし、葵は知らないおっさんと話してるんだよ!」



「なんでって言われてもなぁ…起きるまで暇だったから…」


「あぁ…なんかすまん…」


逆立ちをやめ、幸介と二人で状況説明を交えながら、葵のところに向かうことにした。


「まぁ…かくかくしかじかで…」


「なるほどなぁ〜…ってかくかくしかじかで誰が伝わるんや!」


どうやらダメだったようだ…


「要約すると、転生してきてあのおっさんに泊めてもらうことになったんよ…」


「なんか呆然ぼうぜんとしてる間に話めっちゃ進んでるな…」


葵がこちらに気づいて手を振る。


「あっ!幸ちゃんやっと起きた!」


「ああ…おかげさまでな…」


全員集合できたので、ヒューベルクさんの店へ向かった。


店に着くと、ヒューベルクさんが指示を出した。


「それじゃあ…今日は明日の分の商品補充しょうひんほじゅう簡易清掃かんいせいそうをしてほしい。」


葵が掃除を、幸介と僕で商品補充を担当することにした。


商品補充のために店のバックヤードを見ると、大きな箱が2つあった。


「これを持っていけば良いんだな」


「うわぁ…見るからに重そう…持てるかなぁ…」


しかし箱は大きさの割に軽く、幸介でもギリギリ持つことができた。


「意外と軽いもんだな〜」


と今にでも落としそうになってる幸介がつぶやく。


「絶対に落とすなよ〜?あっフリじゃないぞ?」


「わかってるってぇ〜」


見てて本当にヒヤヒヤしていたが、無事に運んでいた。


「えーとっ…本が2冊と…」


ヒューベルクさんから渡された、手書きのメモを見ながら並べていく。




1時間くらい…いや30分くらいっただろうか…?


「終わったぞ〜」


高いところのたなには苦戦したがなんとか終わった。


ふたりともすでに終わっていたようだ。


「とりあえずお疲れさん。ここの宿主にこれ見せたら数泊すうはくはできると思うから、ちゃんとファーリッピためめるんだぞ?」


「「「ありがとうございます!」」」


じゃあな…と言いながら帰っていくヒューベルクさんが格好かっこ良く見え、また店に行くことを決意するのだった。


<あとがき>


小説をいつもありがとうございます。

作者こときりむぎです。

誰かさんに感化(?)されて始めてみました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見て頂けると幸いです。


週2~5投稿予定です。(ほぼその日の気分次第…)

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

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