第08話 あぁ...どうしようか...

そして、ついに…


ボスの体力が0になったようだ。


「よし!やったか?」


「おいっ!それはやってないときのセリフだぞ」


とすかさずツッコむ


そして、ボスは第二形態セカンドフォームへと移行した。


「ほーらぁ〜。言わんこっちゃない」


先程までの全身鉄鎧装備とは打って変わって、大きさが更に増し、毛皮で包まれてい

る。大きくとがった二つのきばが白く光っている。


攻撃パターンも変化し、射程が短くなった分、速さが増しているようだ。


「第二形態なだけあって、強いな…」


防戦一方で少しばかり苦戦している幸介。


「どうする?このまま魔法は打ち込むけど…」


あおい。強化魔法とかあったりするか?」


「あるにはあるけど…」


「じゃあそれを使おう!」


「わかった。じゃあみんな集まって!」


ボスの素早い攻撃を華麗かれいかわし、全速力で葵の元へ駆け抜ける。


幸介こうすけと僕が葵の元にたどり着いた瞬間、葵が強化魔法を二人に向けて撃つ。


「「ナイス!」」


そして、ボスの方へと振り向き、幸介と同時に攻撃を放つ。



「これは流石さすがにやっただろ〜」


「おいっ…」


しかし第三形態などはなく、無事に討伐とうばつは完了した。


「お疲れ様〜。すごい同時攻撃だったよ〜」


「葵の強化魔法のおかげもあるぞ〜」


本当にそうだった。強化魔法のおかげで、血行促進。肌もつやつやに…(なりません)


「ところであのむらさき色のワープホールってなに〜?」


「あれ?あんなのあったっけか…?」


ん〜と考え込んだあと、幸介が言う。


「ある程度ゲームの参考資料はみたつもりだったんだけど…まさか隠しステージとか

かっ!?」


「隠しステージッ!?」


”隠しステージ”という言葉を聞くと、胸が高鳴るのがわかる。


「ねぇせっかくだったら行ってみようよ〜」


時間もあるし…と葵。


「満場一致!それじゃあ行くか!!」


幸介が先導して禍々まがまがしいオーラを放つ、異彩な紫色のポータルに足を踏み入れた。


まさかあのようなことになってしまう…とは今では知るよしもなかった。






入ってみると、白くまばゆい閃光せんこうに全身を包まれた。


そして目を開けてみると、特に変わった様子はなく、さっきまでいた洞窟どうくつの入口に立っていた。


「なんだ…」


せっかく隠しステージが見つかると思っていたのに…”ただのワープポータル”だったとは…


それにしても凄く寒く感じる。部屋は暖房をつけていたはずだから、暑くも寒くもなく快適な温度のはずなんだけど…


「エアコン壊れたかぁ〜…」


僕がなげいているのを横目に、幸介は呆然ぼうぜんと立ちくしている。


「おーい?生きてるか〜?おー…えっ…!?」


なんと、そこには雪を踏んでいる感触があった。そう。つまり、ここは自分の部屋ではなかったのだ。


「ちょっ…えっ?」


困惑を隠せない。頼みの幸介は…未だ呆然と立っている。ダメそう…


葵は…というと、目をかがやかせて喜んでいる。


今の状況を説明できそうなのは葵くらいしかいないだろうな…そう思い、


「葵。いっ…いまどーいう…状況…?」


動揺どうようしながらも、言葉を絞り出した。


「ゲーム内に転生したのかも…?」


疑問のようなほぼ確信しているかのような返答が帰ってきた。


「えっ…えぇ〜!?」


僕の悲痛なさけび声が、山岳の雪原にひびき渡る。


そんなまさか自分自身が転生するなどと夢にも思わないだろう。




しばらくして、


「まぁ転生したかったんだし、いいんじゃない?」


と葵は明るいいつも通りの声で話す。その声に安心したのか、なんとか冷静さを取り

戻すことが出来た。


「まさかあのときは本当に転生するとは思わなかったんだよなぁ…」


「まぁまぁ…起きたことは仕方がないし…とりあえず今日はどうする?”みや”?」


「うーん...もう一回あの”ポータル”をくぐれば現世に戻れるかも知れないけど、ある確証もないし、今は夜で真っ暗…」


あれ?もしかしてこれ詰んで…る?


「とりあえず、今は落ち着いてまれる場所をさがそっ!」


転生した時のイメージをしていたことがあるかのように冷静な判断を下す。


「ところで、葵は今いくらくらい持ってる?」


幸介からもらった10000ファーリッピはほとんど装備そうび類に消えてしまった。

同じく幸介も二人にそれぞれ10000ファーリッピを渡しているからほとんど無いに違いない。

あとは葵がいくら持っているかによるのだが…


「えっ…0…だけど…」


その葵の返答は、今日の宿がそこらへんの野原で確定したということを指しており、今まで冷静だった葵は初めて取り乱した。


「えっ…ど…どど…どーするの〜?野宿のじゅくはやだよ?」


「と…とと…とりあえず…も‥もも…ももち…つつ…けけけ…」


その時、肩にぽんっと手が置かれた。


「とりあえず、落ち着けよ…」


「だ…だっ誰だ!?」


後ろを振り返るとそこには…


<あとがき>


小説をいつもありがとうございます。

作者こときりむぎです。

誰かさんに感化(?)されて始めてみました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見て頂けると幸いです。


週2~5投稿予定です。(ほぼその日の気分次第…)

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る