第06話 ツユクサ色の弁当箱

あおいがパー、幸介こうすけもパー。僕だけグーだ。


「なんでだよぉ〜〜(泣)」


結局今日は屋上で食べることになった。


「今日はまだ比較的暖かいけど、まだやっぱり寒いなあ〜」


ちなみになぜ僕がじゃんけんに勝ちたいのかと言うと、二人とも外で食べることを選

びがちなのだ…


教室でよくない…?夏でも冬でも快適だし…


「あそこにしよ〜」


今回のじゃんけんの勝者の葵が指差す。


そこには、ほどよく日差しのあるベンチがあった。


「「「いただきます!」」」


みんなで腰掛け、弁当を開けた。


「「おおぉぉぉ…!」」


湯気ゆげが立ちのぼり、中から三色に彩られた美味しそうな弁当が出てきた。


「こんなん絶対、美味うまいやつやん!」


といいながら、おにぎりを口に頬張ほおばる幸介。


僕は卵焼きに手をばし、


「美味っ!チーズ入ってるやん!」


「良かったぁ〜!今回も成功して…まぁキッチンと冷蔵庫の中身は借りたけどね〜」


「あの冷蔵庫の中身からこんなに美味しいの作れるんだなぁ」


と弁当を平らげていく。



そしてほぼ同時に…


「「ごちそうさまでした!」」


「お粗末様そまつさまでした。」


久々に食べた手作り弁当がまずいわけもなく…あっという間に完食してしまった。


「あぁ〜美味しかったぁ…また食べたいなぁ〜」


自然とそう思った。


「もちろん!」


葵は笑顔でそう快諾かいだくしたのだった。




「せや!今日さ、」


放課後になり帰ろうとした矢先、幸介に呼び止められた。


「夜にオンラインゲームしようぜ!久々に」


確かに最近してなかったこともあり、きょうが乗ったので本当に久しぶりにゲームの約束を取り付けた。


「せっかくだったら葵もさそったら?」


今、葵は用事があるから〜といって、ここにはいない。


「それもそうだなぁ!よしっなら誘っといてくれ!俺は帰るわ〜久々にゲームするか

ら勘を取り戻さないといけないからな〜」


「いや僕もだが…?」


「まぁ大丈夫だろ!じゃああとは頼んだ!」


「おいっ!?」


何が大丈夫なのだろうか…そそくさと幸介は帰ってしまった。なので僕は葵の用事が

終わるのを待っていた。



それから1時間くらい経った頃だろうか…


用事の終わった葵が


「あれっ?”みや”じゃん!まだ残ってたんだ〜」


と教室後方のとびらを笑顔で開け、こちらへけ寄ってきた。


そして


「帰ろ〜!」


と葵自身の荷物を目の前に差し出してきた。


「いや…持たないぞ?」


なんでぇ〜と頬をふくらます彼女が教室に入り込む夕日にらされて、神秘的しんぴてきに思え

た。


「まっ!とりあえず帰ろ〜」


「そうだな」


そして、机の上に出していた教材(?)を自分のカバンへとしまう。



帰り道。幸介の言った通り、葵にその約束のことを告げると、


「えっ!面白そうじゃん!やろやろ〜」


と目をかがやかせながら、めちゃくちゃ乗り気のようだった。


「そういや何のゲームするの…?」


「幸介が決めるらしいからまだわからんなぁ〜…流石に音ゲーではないと思いたいけ

ど…」


「なるほどねぇ〜じゃあ完全お楽しみってことね!」


ワクワクが止まらないのか、スキップで帰る葵。


「ちょっ…」


ちなみに葵のスキップは幸介の全力疾走ほんきレベルで速い。


はぁ……はぁ……


息を切らしながらもなんとか追いつき、隼人はやとの家の前へと到着した。


「じゃあ今日の夜にみんなで通話でもつなぎながらゲームねっ!」


葵の去り際、全く疲れてないと言わんばかりの笑顔でそう言ってきた。


「お…おけまる水産」


そう返したのだが‥


「それもう死語だよ〜」


「えっ…!?今1番、流行はやってると…」


「うん…数年前だね…」


衝撃しょうげきの事実だった。


「また18時位にね〜」


「おけま…」


そして、途轍とてつもない速度でけ出していった。


<あとがき>


小説をいつもありがとうございます。

作者こときりむぎです。


誰かさんに感化(?)されて始めてみました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見て頂けると幸いです。


週2~5投稿予定です。(ほぼその日の気分次第…)

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る