第04話 美味しい朝食

ん…ん…


目覚めのいい朝だ。


いつも見る天井てんじょう…差し込む光…ふかふかな布団…


「あれっ?」


ここで違和感いわかんに気付いた。


そう。昨日は確か、玄関げんかんで寝てしまっていたはずだったのだ…しかも、僕は一人暮らしなはず…


「おかしいなぁ…」


寝ぼけた頭を必死に回転させて考える。


「まさか僕が寝ながら歩いてぇ!?」


昨日知ったのだがあおいいわく僕は寝ながら歩けるらしいのだ。


「まぁそんなことよりそろそろ時間的に学校に行く時間だから1階行くか…」


そう言いながら着替えを終える。



遠い昔、階段から落ちたことがあり、骨折してしまったのでゆっくりと降りる。


「”みや”!おはよっ!」


「よお、思ったより起きるの遅いんだな〜」


「おはよ…」

ん?…そこにはリビングには絶対にいるはずのない葵と幸介こうすけの姿があった。


多分寝ぼけてるのか、疲れすぎて幻覚げんかくが見えてるのか…


そう思い、今日は休みの連絡を入れようと固定電話を取りに行こうとしたのだが、


「ちょっ!どこいくのっ!?」


近くにいた葵に引き止められた。


そこで初めて現実マジなのだと気づく


「えっ!?ちょっ!どゆこと?」


「そんなことより!朝ご飯食べないと冷めちゃう!」


「そんなことよりっ!?ええ…」


そんなことよりで流されてしまった。しかしよく見てみると葵はエプロン姿で…昔の


母親を見てるような感覚になった。




「おーい”みや”ぁ?」


葵にばれ、ハッとなり幸介の方を振り向く。


「もしかして葵のエプロン姿にれちまってるんじゃないのか」


とリビングでご飯を食べながらニヤニヤする幸介がいた。


「違うわ!」


そうツッコミながらリビングへ向かう。


葵はというと少し赤面しながら、食卓についた。


いつの間にか葵と幸介の主従関係(?)が若干じゃっかん逆転してるなぁと思いつつ、味噌汁みそしるすする。


「これ美味おいしい!」


一人暮らしを始めてから、インスタント味噌汁しか食べてなかったから、心と体にしみる…


「わぁ!それは良かった!作った甲斐かいがあるね」


ねぇ〜と言わんばかりに、葵と幸介が顔を合わせて笑顔で振り向く。


そして目の前にある卵焼きを頬張ほおばる。


「えっ!?美味しすぎるんだけど!」


出汁だしの味がみ渡りつつも、そこから感じるほのかな甘み…


「私が頑張ったんだよ!」


ドヤッという文字が似合いそうな顔で葵がこちらを見る。


なんだこいつかわいいな…


さらに米をかきこむ


「米も美味しい!」


「米はこうちゃんが炊いたんだぞ!」


あれこいつこんなキャラだったっけ…


「米は炊飯器すいはんきでもいいけど、なべくと更に美味しくなるぞ〜!」


なるほど…今までレンチンご飯だけだったからかな…


レンチンご飯も美味しいけど…


でもなんかたしかに料理の技術は上がってるから美味しいのだけど、それだけではな

い気がする。やっぱり一人よりも…


「ご馳走様ちそうさま!」


幸介が大きな声で言った。


そして自分も


「ご馳走様でした」


「「お粗末様そまつさまでした!」」


二人の声が重なる。


「絶対それが言いたいだけだろ…」


「ヒミツ〜」


と3人の穏やかな朝が過ぎていく…はずだった。


「ところで今何時?」


幸介が着替えをしながら呟いた。


「えーとっ8時15分…くら…い!?」


ここで気づく。うちらの行く学校は8時半から始まるのだ。しかも歩いて片道20分か

かるのだ。そう、つまり遅刻寸前すんぜんなのだ!


「やばい!やばい!」


と、朝の落ち着きとは裏腹に、幸介は支度したくを急いでいる。


僕はと言うと、すでに支度は昨日のうちからませて…あっ…


昨日は玄関で寝落ちしたので全く終わっていない!


やべっと思い、急いで玄関を見ると準備が整っていた。


「昨日の自分やるなぁ…全く記憶にないけど…」


「”みや”ぁ〜」


「わっ!葵か…びっくりさせ…」


そこで更に驚く。そう、なんとすでに制服に着替え終わっているのだ。


「さっきまでエプロン姿だったはずじゃ…」


「まぁ私魔法まほう使いだからね!」


そういや昨日、転生したら魔法使いになりたいとか言ってたな…


「それはすごいな」


「マジだもん!本当に魔法使いなんだもん!」


「それなら魔女さんよ、」


「魔法使いだよ!」


違いあるのか?って気もしなくもないが…


「今から時間を戻したり、止めたりとか出来ないのか…?このままだと遅刻しそうだし…」


「…いやぁ…それはちょっと…」


どうやらダメらしい…なら、


「空飛ぶほうきみたいなのはどう?それで学校までひとっ飛びすれば…」


「いやぁ…私、高所恐怖症こうしょきょうふしょうで…」


おいっ!と心で思いつつもくつき、


「じゃあそろそろ行くぞ〜」


と幸介のけ声とともに、外へけ出していった。



<あとがき>


小説をいつもありがとうございます。

作者こときりむぎです。

誰かさんに感化(?)されて始めてみました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見て頂けると幸いです。


週2~5投稿予定です。(ほぼその日の気分次第…)

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

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