3-7
「いてっ」
鏡を見ながら、ジムは髭を剃っていた。右の頬が切れ、赤い線が走っている。
久々に肌が負けたな、と彼は思った。剃刀が刃であるのを忘れていたぐらいである。
「まいったなあ。まあ、俺はいいか」
頬をさすりながら、ジムはリビングに入った。
「どうした」
クレメンスはサラダを食べていた。見た目とは違い、あまりがつがつとは食べない。ゆっくりと、味を確認しながら食べている。
「剃刀負けをした」
「ああ、ジムは毛が濃いから大変だな」
「伸ばしていたこともある」
「似合いそうだ」
「はは、クレメンスは似合わなそうだ」
「そうだろうな」
そう言ってクレメンスも、頬をさすった。
「お前は見栄え良くしないとな。今日の会見は、中継があるぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます