第3話 少しとんで 聖騎士団フェネック小隊出動司令
ベリーが【HP+5】のスキルを享受し、人生の転換を迎えた。
それから半日がたち、真夜中のこと。
スキルディア王国 首都キングから、聖騎士団フェネック小隊が出立しようとしていた。
フェネック小隊 フェネック隊長は部下達を整列させ今回の任務について、説明を開始する。
「スキルディア王国南部 ルーツ市にて、[魔人]が出現したとの報告があった。[魔人]は我が国にとって最大級の脅威である。よって、これを討伐することとなった。」
フェネック小隊の人数は隊長をいれ7人。それぞれが若くして歴戦の騎士であった。
だが、魔人の出現は一つの町、どころか国の危機である可能性もある。騎士たちは神妙な面持ちで任務内容を聞いていた。
「住民の被害は?」
小隊のなかでも最年長のフラッグが質問を口にする。
「不明だ。だが、市にも守護隊がある。我々は討伐に集中することとする。以上、任務開始。移動を開始する。」
フェネック隊は任務開始の号令に返事をするまでもなく、行動を開始。
迅速に騎馬にのり、南方向 ルーツ市に出立した。
[魔人]とは、女神スキルディアに反逆をした、【魔王アリビリティ】の眷属となった人間である。
基本的には魔界で暮らしているはずであり、大多数はあまり強くない。脅威でないのだ。
しかし、中には強大な力を持つ者もいる。
[魔人]の外見は、強くとも弱くとも、ほとんど人間と変わらない。
つまり、どんなに弱い魔人であっても、首都からの聖騎士団が出動する必要があるのだ。
ルーツ市への道中、月を隠す様に小雨が降り始めた。
あたりは真っ暗な闇に包まれていた。
フェネック小隊、隊長のスキル【ライト】により、ある程度の視界は確保していたが、それでも馬による移動ができるギリギリの範囲であった。
小隊がルーツ市に到着するには、あと3時間ほど。
先の見えない夜道に急ぐ。
スキルディア王国物語 ベリー・ハード伝説記 @makadamia-doream
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