第2話

 詰まらない嫉妬から、君の横っ面に投げ付けた。


 兔に角……メール、送信。


 思わず握り締めていた、コンサートプログラムに目を移す。



〝ウェーバー 歌劇『魔弾の射手』より

 ヴィオラ(独奏)〟



 悪魔に魂を売って迄、君を堕とした僕なのに……


 何時の間にか、僕の方が…かなり、君の思う壺。


 そして今宵も、僕の魂は…

 君の魔弾に、射抜かれるんだ……。


 ♪♪♪~……


「!」


 スマートフォンから、着信音…


 『ブランデンブルク協奏曲 第六番変ロ長調 第一楽章』……


 相変わらず…レス、早いな。



〝らしくない〟



 毎度の事だけど…短いし。


 でも…

 ホッとさせられる。

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