僕を射つ、君の魔弾

第1話

〝さっきはごめん〟


 今の僕が、指先で伝えられる言葉は…これが、精一杯。

 僕らしくもない…男らしくない、ああ、恥ずかしい。



「アキラなんて、嫌いだ!


 僕以外の男に、笑い掛けるな話し掛けるな手を触れるな…


 そんなアキラなんか、大っ嫌いだあっ!!」



 ……未成年女子か?


 26にも、なって―


 あ…

 今夜きょうで、27だ。



〝JBM交響楽団

 クリスマス特別演奏会 SS席〟



 書入れ時の忙しさが、目に見えて足腰に来ている店長に、申し訳無く感じながらも、最敬礼で有給休暇を貰って…


 一等御気に入りの礼服を着て…


 僕の想いを束ねた、花束ブーケを君に―



 バサッ!

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