第57話

 哲は、愕然とし―身を硬くした。


 コン、コン。


 彼が入っている個室の扉を、ノックする音―


「……哲ちゃん……?

 ホントに、大丈夫…?」


 作野だった…哲は苦笑し、彼に答えた。


「…悪いな?心配掛けて……

 ハハッ…一寸、腹具合が……(汗)」

「…そ、か……

 俺…ヨメに正露丸持たされてるんだけど、飲む?」

「…ハハ…じゃ、貰うわ(笑)。

 取ま…喫茶室で……」

「分かった!待ってるよ?」

「ああ…」


 遠離る、作野の跫音あしおと…哲は、大きく息をいた。


 良かった…


「明良君に、バレなくて…良かったね☆」


「!」


「ふ…可愛いよねえ?彼って……

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