第34話
お゙ォッ…あ゙ァ―…ッ!!
しぬっ…しぬうッ!!
イ…クうっ……!!」
堕ちる……!
もう、限界だ―絶頂を迎えると同時に、哲は失神した……。
帰りたい…俺だけの、家へ……!
東都音楽大学附属校に入学が叶った、中学生から―哲は学生寮に入り、奨学金、後にはアルバイトで稼いだ金で、学費と寮費を支払い―実家とは、完全に連絡を絶った。
楽団員に成ってからは、浜横市内の賃貸マンションに住み、独身生活を満喫していた……。
彼が使用するヴィオラは、全て母の形見だ…弦と弓の消耗は激しくとも、楽器本体の手入れは行き届いている……。
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