第19話

 己の腑甲斐無さに、嗚咽する哲…たすけを待つ事も、逃げ出す事も出来ず、この儘―次第に、ノゾムの思い通りにされるだけの、彼の肉欲の玩具おもちゃへと成り下がるしか無いのだろうか……?


「…だ…嫌だッ…!

 俺は…もう、嫌なんだ……!」


 哲は、ヴィオラケースへといざり寄り―それをいだき上げ、胸に引き寄せた……。



「哲ッ!

 何で父さんが教える様に弾けないッ!?


 一度聴かせたら、ちゃんと憶えろッ!!」


「………」


てる姉さんは、六歳むっつの頃には、ちゃんと課題をこなせてた…

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