第12話

「矢っぱ、作野って…有名音楽一族の、『作野』でないの?

 本人、全然口にしないけど…」

「そういう所が…『作野』なんだよ……

 もう十分天才だから、ファミリーの威光なんて、寧ろ邪魔だろうさ?」


「………」


 はなから、分かっていた―「明良」は、本当の天才……


 そう思い知った哲は…作野を含めた友人達に、自ら宣言したのだ―


さくちゃん…

 これからは君が、『アキ』。


 俺は、『テツ』…

 OK?」


「え―」


みんなも、了解?」


「確かに…その方が、呼び易いよな?」

「別にいいけど?」

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