第6話

 べて無表情ポーカーフェイスな螢河の口許が、心做し緩んだ……。



 広々とした体育館の空間スペースを、大きく使って―器械体操部員と共に練習をしている、府立明哲めいてつ工業高等学校・器械体操部所属の、男子生徒達。


 云わずもがな、体操器具は高価な為、全ての公立校がそれの全種類を所有する事は難しく―


 東都府内で有数の強豪校同士、且つ好敵手ライバルといった縁も有って―頻々、斯様な光景が見られるのだ……。


「良し、後方抱え込み二回宙返り懸垂コバチ…じゃない!?


 二回捻り、入った―

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