第7話

 ブレトシュナイダー、H難度!!」


 その場の注目を、一身に集め…


 3m近い高さで、水平に渡された鉄棒バーを大きくしならせ―


 なん躊躇わずに、易々やすやすと回転運動を続ける、一人の少年―じまづき(18)が、終末技フィニッシュを決めて着地すると同時に、場内は沸いた……。


「湖島!?」


 顧問の男性教諭が駆け寄るなり―波月は深く頭を下げて、彼に云った。


「申し訳ございません!

 最後の技…

 下りる前に捻るのを、忘れてしまいました!」

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