第17話

 三年経った現在いま迄、孤児みなしごの勤労少年の儘であったのだ……。



「…『好き』って…

 初めて、云ってくれたわ……


 感情を示すのに、臆病だった子が……」


「切ないが…

 仕方ない……


 あの子は、記憶を失って…


 修藤さんの子供に、なっちまったんだからな……」


 それが侍郎の、一方的な悪魔の所業故である事など、香澄夫妻には知る由も無い……。



「…っ、あァッ…!


 サブちゃん…

 も…限界だよォッ…!?」

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