第48話

 釣書には、写真の他に―一通の手紙が、同封されていた。


〝 私は、十五歳の頃、自動二輪車輛の事後強盗と、警察官への公務執行妨害の非行事実を以て、少年院に送致されました。


  私の更生を助けて下さった方々の御厚情で、現在、私の前歴を御存知の方は、居らっしゃいません。


  しかし、私が罪を犯した事実は、決して私の人生から、外せる物ではありません。


  それでも、「呉竹鋭知」の妻に、なって下さいますか?

  家族に、なって戴けるでしょうか?〟


「……!」


 鋭知の想いが、祈を揺さぶる…


 涙を止められない…

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