第49話

 そんな彼女に、母も涙ぐみながら云った。


「その手紙を読む迄…

 そんな事、忘れてたわ……


 お母さんも…

 切なくて、泣いちゃったわよ……


 だって…

 思い出すのは……


 ちょっと、口は乱暴だったけど…

 まじめで…やさしい…


 ハンサムな男の子の姿だけ……


 そして…

 その子の為に…

 泣いた、あなた……!」


「お母様……」


「憶えてるわ…

 あなたが云った事……


 呉竹君と、あなたは…

 運命を分けたんだって……


 今は…

 お母さんも、そう思ってる……


 きっと、あなた達二人は…

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