第44話

「済みません…(深謝)。


 …丸潰れですね(恐縮)。

 私には…

 勿体無い、お話だったのに…」



 聞き憶えの有る、男性ひとの声…


 「Dr.(ドクター)メガネ」?


 いいえ、彼は―



「!?


 鋭知さん!!」


 廊下に立っていた青年が、祈を見た。


「……


 祈さん……?」


 彼の左腕に、引っ掛けられている物は…

 白衣だった……。



「…今年から…

 東都医大病院の、研修医インターンになりました……


 外科です。


 あ…

 これは、伊達眼鏡で…(汗)」


 度の入っていない眼鏡を外して、鋭知は含羞む。

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