第127話

「御疲れ様でした!!」


「…フッ」


 天降は、グランドピアノの蓋を閉じ―ステージ中央の階段から、悠然と降りて来た。


 そして、明良の横を通る時…彼の肩をポン、と叩き、囁いた……


「先刻のピアノ演奏…良かったぞ……?


 次回こそ、『白鳥』…

 期待してるよ……!」


「……!

 はい…!!」


「………」


 明良の応え…天降は、満足気に笑って見せ―ドアから出て行った……。


「……」


 明良は―和嶋の忠告を気にしつつも―天降に評価して貰えた事に、喜びを隠せず…含羞みながら、口許を緩める……

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